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シーゲイト「FreeAgent」ハードディスクの紛争

出所:2015年1月23日中国知的財産権新聞

現在世界最大のハードディスクメーカーの1つであるアメリカシーゲイトテクノロジー公共株式会社(以下、シーゲイト社と称する)は、先日商標権侵害紛争に巻き込まれた。シーゲイト社及び該会社の傘下子会社と「シーゲイト」モバイルハードディスク代理業者が生産販売する「FreeAgent」シリーズのモバイルハードディスクはその「FREEAGENT」登録商標の独占権を侵害したと主張するため、広東省の個人である杜は上記会社を広東省深セン市福田区の人民裁判所に起訴した。先日、裁判所は該事件に対して一審判決を下し、杜の訴訟請求を取り消した。

杜は、シーゲイト社及びその傘下子会社は「FreeAgent」シリーズのモバイルハードディスク製品に商標の形式で「FreeAgent」標識を使用し、杜のパソコン周辺機器商品において独占権を有する「FREEAGENT」商標と同じであるため、上記被告の行為は商標権侵害を構成する。聯強国際貿易(中国)有限公司(以下、聯強会社と称する)及び深セン市順電連鎖株式有限公司(以下、順電会社と称する)が「FreeAgent」シリーズのモバイルハードディスクを販売していることも、その登録商標の独占権を侵害していると主張する。

調べによると、事件に関わる商標は第5836028号の「FREEAGENT」商標であり、杜が2007年1月に出願登録を提出し、2009年10月に第9類のパソコン週辺機器、電子ファックス機器などの商品に使用することが承認された。

シーゲイト社などの被告は、その関連会社であるシーゲイトテクノロジー有限公司が第9類のパソコン周辺機器などの商品において出願登録したa「aSEGATElFREEAGENTa」a商標は既に中国で登録が承認されたものである。被告がa「aFreeAgenta」aシリーズのモバイルハードディスクに使用したa「aFreeAgenta」a標識はその関連会社の登録商標及び企業名称と合わせて使用されたものであり、中国文a「a希捷a」aと英文a「aSEAGATEa」a「aGoFlexa」aを含み、両者の区別が明らかで、消費者を混同・誤解させない。従って、その「aFreeAgenta」aシリーズのモバイルハードディスクにa「aFreeAgenta」a標識を使用した行為は商標権侵害を構成しないと反論した。

裁判所は審理を経て、事件に関わるモバイルハードディスクはシーゲイト社の関連会社であるシーゲイト・テクノロジー有限公司により生産販売されたものであり、杜は事件に関わるモバイルハードディスクが被告のシーゲイト社などにより生産販売されたものであることを証明する証拠がなく、上記被告が連帯侵害責任を負うべきことを主張することも法的根拠がないと判断した。

しかし、シーゲイト・テクノロジー有限公司の侵害が起訴されたモバイルハードディスク及び包装に使用した「FreeAgent」標識は大文字と小文字の組合せであり、原告の「FREEAGENT」商標と同じでない。同時に、シーゲイト・テクノロジー有限公司は「FreeAgent」標識を個別に使用したこともなく、いずれもその他の商標と組合わせて使用し、「FreeAgent」の字体も小さく、顕著ではなく際立ってもいない。全体的対照、主要部分の対照、隔離対照を経て、国内公衆の英語に対する認知程度、「シーゲイト」モバイルハードディスクの業界における知名度及び原告商標の実際の使用状況に照らし合わせると、権利侵害が訴えられたモバイルハードディスクにおける「FreeAgent」標識は、商品の由来に対してかかる公衆を十分に誤解させることがない。以上をまとめると、シーゲイト社などの被告の権利侵害が訴えられたモバイルハードディスクを生産販売することは「FREEAGENT」登録商標独占権に対する侵害を構成せず、聯強公司は「シーゲイト」モバイルハードディスクの中国での合法的代理業者とし、順電公司は「シーゲイト」モバイルハードディスクの小売り業者とし、権利侵害行為にはならない。(肖峰)

ウェブページリンク http://www.cneip.org.cn/companyshow.aspx?CateID=17&ArticleID=13922

 

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